会社に勤めながら副業している場合、会社に副業がバレないか心配ですよね。
本業に支障がない限り原則は副業を禁止にすることはできませんが(公務員等を除く)、まだまだ副業を禁止にしている会社は多いと思います。
よく住民税で副業が会社にバレてしまうと耳にしますが、その仕組みや対策を税理士が解説します!
1 . そもそも副業の税金はどうなる?
副業で稼いだ分の税金は、その副業の種類(給与なのか事業なのか)によって変わってきます。
いずれも基本的には確定申告をする必要があり、それにより年間の所得税と住民税が決まります。
①副業が給与の場合
副業がアルバイト等で給与として貰っている場合、"給与所得"に該当します。
つまり本業と副業で2か所から給与を貰っていることになり、いわゆる「2か所給与」と呼ばれる状態になります。
2か所給与の場合、基本は本業の会社でのみ年末調整を行います。(年末調整は一つの会社でしか行えません)
その後、本業の給与と副業の給与を合わせて、3月15日までに自分で確定申告をする必要があります。
これにより2か所の給与が合算された状態で税金計算が行われます。
なお、副業での給与収入が20万円以下であれば確定申告は不要となり、本業での年末調整のみで完了となります。
②副業が事業の場合
副業を自分で事業(または業務委託)として行っている場合、"事業所得"に該当します。
"給与所得" + "事業所得"ということになります。
本業の会社で年末調整を行い、その後、副業の事業所得と合わせて3月15日までに確定申告をする必要があります。
これにより本業での給与所得と副業での事業所得を合算して税金計算が行われます。
なお、副業の所得が20万円以下であれば確定申告は不要となり、本業での年末調整のみで完了となります。
2 . なぜ住民税で副業がバレる?
年末調整のみでは副業がバレることはなく、自分で確定申告をすることによってバレる可能性が出てきます。
それは、住民税の納税方法が所得税とは大きく違うことが原因となります。
バレてしまう流れを順を追って説明していきます。
①所得税は年末調整または確定申告で完結
所得税の納税は、会社での年末調整または確定申告と同時に納付もすることにより完結します。
なので所得税が原因でバレる可能性は低いです。
副業分は自分で確定申告して同時に所得税も納付してしまえば、会社側がその事実を知る由はありません。
②住民税は普通徴収または特別徴収
これに対し住民税の納税は、自分で納付(普通徴収)または給与から天引き(特別徴収)となります。
給与から天引き(特別徴収)は、前年の所得によって計算された住民税を12分割して翌年の給与から天引きしていく方法です。
所得税と決定的に違うところは、所得税は概算で源泉徴収し最終的に年末調整で精算するのに対し、住民税は確定した前年分の税額を12分割して徴収しているというところにあります。
③住民税は原則は特別徴収をしなければならない
住民税の納税方法として、一定の理由がある場合は除き、原則は特別徴収としなければならないとされています。
なので、毎年会社側に全従業員の住民税額の通知が届き、それをもとに給与から天引きしていくことになります。
この時、会社は各従業員の住民税の総額から所得を把握することが可能です。
④副業で稼いだ分の住民税も加算されているからバレる
この住民税額の通知には、確定申告によって確定した本人の一年間分の住民税額が載っています。
つまり、副業で稼いだ分の住民税も加算された状態になっています。
よって、本業の会社が支払った給与だけでは計算が合わない住民税額になっているため、そのタイミングでバレる可能性があります。
例えば、本業と同じくらいの副業の所得があった場合、単純に住民税の金額が2倍になるため、「こんなに給料払ってないのにおかしいな...」と気付くわけです。
3 . 副業がバレないようにするためには?
確定申告をしても会社にバレないようにするためには、確定申告書を作る際にひと手間が必要になります。
それは、申告書「第二表」の下の部分の【住民税・事業税に関する事項】の中にある『給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法』を「自分で納付」にチェックを付けます。
これにより、副業の所得に係る住民税は普通徴収(自分で納付)となるため、会社側にバレるリスクを減らせます。
これを忘れると特別徴収になってしまい、住民税の金額から副業がバレてしまう可能性が上がりますので注意しましょう。
なお、副業がアルバイト等のダブルワークの場合はこの方法は使えず、どうしても特別徴収になってしまう可能性があります。
その場合は役所や副業の会社に相談して、その分だけ普通徴収にできないか相談してみましょう。
4 . まとめ
何も対策をしないと、本業の会社に副業がバレてしまう可能性は上がります。
副業がバレたくない場合は、確定申告の際にできる限りの対策を行いましょう。
若しくは、副業の会社や役所に相談してみれば、住民税に関してはもしかしたら何か手を打ってくれるかもしれません。
バレるのを恐れるあまり副業を辞めたりはせず、諦めずに頑張りましょう!
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※上記記事は令和6年11月時点の情報に基づいて記載しております。
※上記記事は一般的な内容を記載しているため判断の際は専門家へのご相談をお願い致します。
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