役員報酬のシミュレーション方法とは?足立区の税理士が解説
- hsatou0
- 3月21日
- 読了時間: 5分
企業の経営者や役員にとって、役員報酬の設定は非常に重要なポイントです。適切な役員報酬を決定することで、会社の財務バランスを最適化し、税負担を抑えることが可能です。本記事では、役員報酬のシミュレーション方法について、足立区の税理士が詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
目次
1 - 役員報酬の決定が重要な理由
2 - 役員報酬のシミュレーション手順
3 - 役員報酬の最適な決め方
4 - シミュレーション例
5 - まとめ
1. 役員報酬の決定が重要な理由

法人の利益のうち、役員報酬をいくらに設定するかで、以下の税負担が変動します。
法人税(会社が支払う税金)
役員報酬を支払うことで、会社の課税所得が減少し、その結果として法人税の負担が軽減されます。ただし、過度に役員報酬を高く設定すると、個人の所得税負担が増加するため、バランスを取ることが重要です。
所得税・住民税(個人が支払う税金)
役員報酬として支給された金額は、個人の所得税および住民税の対象となります。所得税は累進課税制度が適用されるため、報酬が高くなればなるほど税率が上がり、税負担が増加します。そのため、適切な報酬額を設定し、税率の上昇を抑えることが節税のポイントとなります。
社会保険料(会社と個人で折半する費用)
役員報酬が増加すると、社会保険料(健康保険・厚生年金など)も比例して増加します。社会保険料は会社と個人で折半するため、会社の負担増にもつながります。一方で、社会保険料の支払いは将来的な年金受給額にも影響を与えるため、単純に抑えればよいというものではなく、長期的な視点での検討が求められます。
最適な役員報酬を決めることで、手取り額の最大化と節税が実現可能です。
2. 役員報酬のシミュレーション手順

① 会社の利益を計算
まず、法人の年間利益(売上 - 経費)を把握します。
※経費に役員報酬額と法人負担分社会保険料額は含みません。
今後の設定役員報酬額で変動するためです。
例:
売上:2,000万円
経費:500万円
利益:1,500万円
※以下この利益1,500万円をシミュレーションの基礎とします。
② 役員報酬の設定と法人負担分社会保険料額、法人税の計算
役員報酬の金額設定次第で、法人の課税所得が変わります。法人税は利益マイナス役員報酬に課税されるため、役員報酬を増加させれば法人税は減少します。
法人税の目安(中小企業)
課税所得800万円以下 → 約23-30%
課税所得800万円超 → 約30-35%
例:
役員報酬 | 法人負担分社会保険料額 | 法人の課税所得 | 法人税(概算) |
0円(法人利益1,500万円) | 0円 | 1,500万円 | 約450万円 |
400万円 | 約60万円 | 1040万円 | 約300万円 |
800万円 | 約120万円 | 580万円 | 約140万円 |
1,200万円 | 約140万円 | 160万円 | 約40万円 |
※ 役員報酬を増加させると、法人税は減少しますが、所得税・住民税・社会保険料が増加します。
③ 所得税・住民税の計算
個人の役員報酬には、所得税・住民税がかかります。所得税は累進課税制度(所得が増えるほど税率が高くなる)となっています。
所得税の税率(2025年3月現在)
課税所得(年) | 税率 | 控除額 |
195万円未満 | 5% | 0円 |
195万円~330万円未満 | 10% | 97,500円 |
330万円~695万円未満 | 20% | 427,500円 |
695万円~900万円未満 | 23% | 636,000円 |
900万円~1,800万円未満 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円~4,000万円未満 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円以上 | 45% | 4,796,000円 |
※課税所得は収入から基礎控除、給与所得控除、社会保険料控除等が引かれた金額となります。
住民税:所得の約10%が課税されます(都道府県や市区町村により少し異なります)。
④ 個人負担分社会保険料の計算
役員報酬の金額によって個人負担分の社会保険料(健康保険+厚生年金)が変動します。
社会保険料は会社と個人が折半で負担します(約50%ずつ負担)
例:役員報酬1,000万円(月収83.4万円)の場合
個人負担分社会保険料:約160万円
3. 役員報酬の最適な決め方

法人税・所得税・社会保険料を総合的に考え、調整します。
最適なバランスのポイント
法人税が高くなりすぎないようにする
法人税率は所得が800万円超で上がるため、法人の所得が800万円未満になるように役員報酬を設定するのも良いです。
所得税・住民税が累進課税で高くならないようにする
個人の所得が900万円を超えると税率33%になるので、その前後で調整するのも良いです。
社会保険料の負担を考慮
役員報酬が高すぎると社会保険料も増加するため、トータル負担をチェックしましょう。
4. シミュレーション例(法人利益1500万円想定)

個人法人合算
役員報酬 | 税、社会保険合計 | 残り額合計 |
0円(法人に利益1,500万円) | 約450万円 | 約1,050万円 |
400万円 | 約445万円 | 約1,055万円 |
800万円 | 約470万円 | 約1,030万円 |
1,200万円 | 約520万円 | 約980万円 |
法人詳細
役員報酬 | 法人税 | 法人負担分 社会保険料 | 法人手残り額 |
0円(法人に利益1,500万円) | 約450万円 | 0円 | 約1,050万円 |
400万円 | 約300万円 | 約60万円 | 約740万円 |
800万円 | 約140万円 | 約120万円 | 約440万円 |
1,200万円 | 約40万円 | 約140万円 | 約120万円 |
個人詳細
役員報酬 | 所得税+住民税 | 個人負担分 社会保険料 | 手取り額 |
0円(法人に利益1,500万円) | 0円 | 0円(別途国民健康保険料等の支払い) | 0円 |
400万円 | 約25万円 | 約60万円 | 約315万円 |
800万円 | 約90万円 | 約120万円 | 約590万円 |
1,200万円 | 約200万円 | 約140万円 | 約860万円 |
このように、役員報酬を調整することで、法人税・所得税・社会保険料のバランスを最適化できます。
※社会保険料は支払い金額に応じて、将来受給可能な年金額が変動します。
5. まとめ

役員報酬を増やすと法人税が減少するが、所得税・社会保険料が増加します。
社会保険料も考慮してバランスを取った額にしましょう。
役員報酬の最適額は会社の利益規模や事業計画によって異なるため、シミュレーションをしながら調整しましょう。
足立区の北千住税理士事務所では、経営者の皆様をサポートするサービスを提供しています。ぜひご気軽にご相談ください。
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※上記記事は令和7年3月時点の情報に基づいて記載しております。
※上記記事は一般的な内容を記載しているため判断の際は専門家へのご相談をお願い致します。
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