多くの人が所得税の申告に対する緊張や不安を感じるかと思います。しかし、無申告という選択が持つリスクには、さらに深刻な後果が潜んでいます。この記事では、無申告が招く税務調査とその実態について詳しく解説します。税務調査がどのように行われるのか、無申告によってどんな罰則が科されるのか、そしてこれを避けるために何をすべきなのか。これらの疑問に答えながら、無申告のリスクを真剣に考え、適切な行動を取るためのガイドラインを提供します。
1、税務調査とは?
税務調査とは、税務署等が納税者の税務状況について詳細な調査を行うプロセスです。この調査は、納税者が適切に税金を計算し、申告し、納付しているかを確認するために行われます。具体的には、調査官が直接納税者のオフィスや自宅を訪れ、書類や記録をチェックすることがあります。
また、税務調査は3年間さかのぼるパターンと5年・7年と遡るパターンがございます。
違いとしては基本は3年間遡られ、同様の誤りが過去にあると判断された場合は5年・不正や虚偽がある場合は7年となります。無申告の場合は5年・7年パターンが多いです。 税務調査が始まると、課される罰則や追徴税額が非常に高額になる可能性があります。そのため、税務調査は納税者にとって非常に厳しい経験になることが多いです。
2、どのような場合に税務調査が入りやすいの?
具体例を挙げるとかなりの量になるため代表的なもののみ挙げさせていただきます。
①無申告の可能性が濃厚な場合
こちらは、当然調査が来る可能性が高いです。事業を営んでいる方はお分かりかと思いますが法人・個人事業主の方は一定の要件を満たす報酬の支払いがある場合、その支払金額を年1回税務署に報告するという作業がございます。(支払調書の提出のことです。)その情報があるため支払調書の提出があるにもかかわらず、確定申告をしていない場合はすぐに把握できることとなります。
また、税務署は通帳の情報を取得することが可能であるため金額の大きい入出金がある場合申告漏れでないかどうか調査に入るケースもございます。
②同業と比較して利益率の乖離が大きい場合
税務署は業種ごとの利益率の情報を把握しています。そのため、同業と比較して極端に利益率が低い場合は調査の対象となるケースがございます。
※税務署は業種ごとの売上と利益率のデータをまとめているためそのデータが比較対象となります。
③今まで申告があったのに急に申告がなくなった場合
こちらは廃業等の届出がなく申告書の提出がないのはおかしい話なので、この場合も来るケースがございます。特に事業を引き継いだタイミングや代表者が変更したタイミングは引継ぎ事項が多いため確定申告を忘れてしまうケースが多いため注意が必要です。
その他いろいろなケースがございますが例示としては今回は以上といたします。
3、無申告の場合の調査はどうなるの?
無申告の調査の場合ケースは様々ですが、資料が残っているパターンと資料が残っていないパターンで大きな差があるかと思います。
※他にもいろいろなパターンが想定されるためあくまでも一例です。
①資料が残っている場合
資料が残っている場合、根拠となる売上・経費を把握することが可能なため残っていない場合よりも調査がスムーズにいくケースが多いかと思います。
ただ、無申告の場合、前の記事にも記載しましたが罰則は非常に厳しいのでご注意ください。
https://www.kitasennjuzeirisi.com/post/%E7%A2%BA%E5%AE%9A%E7%94%B3%E5%91%8A%E3%82%92%E5%BF%98%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F%E6%96%B9%E5%BF%85%E8%A6%8B%EF%BC%81-%E6%89%80%E5%BE%97%E7%A8%8E%E3%81%AE%E6%9C%9F%E9%99%90%E5%BE%8C%E7%94%B3%E5%91%8A%E3%81%AE%E8%A6%81%E7%82%B9
②資料が残っていない場合
資料が残っていない場合は非常に大変です。根拠となる数字がないため、推計課税などの方法がとられる場合がございます。推計課税とは、資料がなく、所得計算が困難な場合に間接的な資料を基に所得を認定し課税する方法となります。算出にはいくつか方法がございますがよくあるのは取得できる限りの資料(通帳は過去分の取得もできるため通帳等)をもとに所得を算出する方法です。デメリットとしては、以下の通りとなります。
・本来の所得よりも高めに算出される場合がある。
・消費税の仕入税額控除が使えないため消費税が多額になる。
4、無申告の場合まずどうすればよいの?
①税理士にご相談ください。
税理士は、適切な方法で申告をサポート致します。無申告の場合様々なケースがございますのでまず税理士にご相談いただき何から行えばよいのかを相談したほうがよろしいかと思います。基本的には②に記載の通り資料を収集するところから始まるかと思います。
②資料の収集
資料がある方は、通帳・領収書・請求書・明細等の資料をまとめてください。資料がない方は取得できるだけ資料を収集してください。
通帳は時間がかかる場合がありますが過去分も取得可能ですし、クレジットカード明細も取得できるケースが多いです。また、過去お取引した事業者にもご連絡することによって資料を収集できることがございます。
5、まとめ
この記事を通じて、無申告のリスクと税務調査についての基本的な知識を提供することができればと思います。税務調査は誰もが避けたい状況ですが、もし調査が入る可能性があると考えた場合、早めの備えと対策が重要です。無申告には厳しい罰則があり、後から正確な申告をしても、その罰則は避けられません。そのため、納税に対する責任をしっかりと果たすことが何よりも大切です。 無申告が招く税務調査は、一度入られると非常に厳しいものとなり、精神的、財政的な負担が大きくなります。だからこそ、この記事が無申告のリスクについて考え、適切な行動を促す一助となれば幸いです。 弊社においても期限後申告対応を承っております!
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※上記記事は令和5年9月時点の情報に基づいて記載しております。
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