1、法定調書とは? 法定調書とは、企業が支払った報酬の明細をまとめたものです。税務署への提出書類としては法定調書合計表(対象となるお支払金額の合計をまとめたもの。)と支払調書(取引先ごとに対象となる支払金額の1年間分の合計金額をまとめたもの。)となります。提出期限は1/31となっております。
ちなみにこの調書は税務署が税務調査等で活用することとなります。支払調書の提出があるのに申告がないという申告漏れを発見したり、申告書と調書の金額の整合性をとったりという活用の方法がございます。 ①法定調書の対象 法定調書の対象となる方は幅が広くおおむね事業を行っている個人事業主・法人は提出義務があります。具体的には、給与の支給がある・税理士等への報酬の支払いがある・不動産使用料等の支払いがある・不動産の取得がある場合に提出が必要となります。
②支払い調書とは? 支払い調書とは、事業者が一定期間内に支払った給与や報酬、地代家賃、不動産の売買に関する取引の詳細を記録した書類です。これは税務調査の際の資料としても用いられます。 各項目の詳細 ・給与所得者の源泉徴収票 - 従業員に支払われた給与、賞与、手当等の総額を記録します。 - 社会保険料や源泉所得税の金額も併記する必要があります。
-すべての役員・従業員の源泉徴収票が対象となるわけではございません。詳細につきましては以下に記載されているためご参考ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7411.htm
・報酬・料金・契約金及び賞金の支払調書 - 専門家やフリーランサーへの報酬支払いを含めます。 - 支払いの性質や報酬の種類によって、所得税の源泉徴収が必要になる場合があります。
-提出の対象となるものは報酬等の種類によって細かく定められております。基本的には源泉徴収の対象となっているものが対象となります。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7431.htm ・不動産の使用料等の支払調書 - 家賃・地代等をお支払いしている場合の記録となります。
-個人へのお支払いがある場合対象となります。法人へのお支払いでも更新料・権利金等のお支払いがある場合も提出義務がございますのでご注意ください。
・不動産等の譲受の支払調書 - 不動産の購入に関わる取引の詳細を記載します。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7442.htm ③業務の流れ ・取引データの収集: 年間の取引データを集め、分類します。 ・情報の整理: 法定調書に必要な情報を選別し、整理します。
法定調書・支払調書の作成には住所・氏名・法人名称等の情報が必要なため事前に収集しておきましょう。 ・調書の作成: 税務ソフトウェアを使用して、取引情報を基に調書を作成します。 ・確認作業: 数値の照合を含む細かい確認を行います。 ・クライアントとの確認: 作成した調書をクライアントに確認してもらい、必要に応じて修正を行います。 ・税務署への提出: 最終的な確認を経て、調書を税務署に提出します。 ④注意点 - 消費税の取扱い: 原則調書への記載金額には税込みの金額を表示することとなります。ただし、消費税等が区分されている場合は税抜きの金額を表示しても問題ございません。 - 支払いベースの選択: 法定調書・支払調書の作成において計上のタイミングを発生主義にしているか現金主義にしているかは企業によってまちまちです。基本的には現金主義によって作成していることが多いかと思います。
2、法定監査について
法定監査とは法定調書等の税務調査となります。一般的な税務調査とは若干異なり調書が適切な内容で作成されているかを確認する調査となります。調査の流れは一般的な税務調査とおおむね同様以下の通りとなります。 法定監査のプロセス ・事前通知: 税務署等からの事前通知を受けます。 ・書類の準備: 法定調書と支払調書を含むすべての必要な書類を準備します。 ・実地調査: 税務調査官が企業を訪れ、書類のチェックと質問を行います。一般的な税務調査と同様午前中に会社概要を聞き取り、午後は帳簿等を確認するという流れが多いです。 ①監査における重要ポイント - 完全性: 全ての取引が調書に記載されていることを確認します。 - 正確性: 数字が正確で、過不足がないこと。
- 提出期限: 調書は期限内に提出されている必要があります。 ②法定監査への備え方 - 整理整頓: すべての財務記録を最新の状態に保ち、容易にアクセスできるようにします。 - 継続的なレビュー: 定期的に自己チェックを行い、誤りがないかを確認します。 - 専門家のアドバイス: 税理士などの専門家のアドバイスを受け、適切な申告と調書の準備を行います。
まとめ 法定調書は企業の財務透明性を保ち、税務調査の効率化を図る重要な書類です。提出期限や記載内容には細心の注意を払い、適切な管理と継続的なレビューを行うことが求められます。専門家のアドバイスを積極的に活用し、調書が正確で完全であることを確保することで、法定監査にも対応できる体制を整えましょう。税務上の義務だけでなく、企業の信頼性を高めるためにも、このプロセスは極めて重要です。
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※上記記事は令和5年11月時点の情報に基づいて記載しております。
※上記記事は一般的な内容を記載しているため判断の際は専門家へのご相談をお願い致します。
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