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防衛特別法人税とは?新しく導入される税制について足立区の税理士が解説

  • hsatou0
  • 6 分前
  • 読了時間: 6分

 近年、日本の安全保障環境は急速に変化しており、防衛費の増額が必要とされています。政府は、これに対応するための新たな財源確保策として、防衛特別法人税の導入を決定しました。この記事では、防衛特別法人税の基本的な概要や、導入される背景、税制の仕組みについて詳しく解説します。

目次

1. 防衛特別法人税の導入背景

2. 防衛特別法人税の具体的な仕組み

3. 該当法人について

4. 該当期間について

5.防衛特別法人税の影響

6.まとめ


1. 防衛特別法人税の導入背景

防衛特別法人税

 日本政府は、2022年12月の防衛力強化策に基づき、2023年から2027年の5年間で約43兆円を防衛費に投じることを発表しました。この大規模な予算増加には、財源を確保するための措置が必要です。そのため、法人税を中心に企業に一定の負担を求める形で、新たな税制が検討され、2024年12月発表の令和7年度の税制大綱により防衛特別法人税の設定が決定されました。

 企業の利益に対して追加的な税負担を求めるもので、法人税に対して4%の増税とされています。この税収は、全額が防衛費に充てられる予定です。


※法人税:地方法人税や事業税など、一般的に法人税等として括られているものではなく、純粋な法人税を意味します。



2. 防衛特別法人税の具体的な仕組み

防衛特別法人税

 防衛特別法人税は、従来の法人税とは別に、法人税額に追加的な税率を上乗せする形で課税されます。以下のような計算方法と定められました。

  • 基本的な課税対象:法人税額に対して4%の追加税が課税されます。

  • 基礎控除:基礎控除は500万円です。法人税額が500万円以下の場合は、防衛特別法人税は課税されません。

※税額の少ない中小企業には基礎控除という形で軽減措置がとられており、税額の多い大企業を中心に税負担が求められます。



3. 該当法人について

防衛特別法人税

 防衛特別法人税が課税される法人は、主に利益を上げている大企業や中規模企業が対象となります。具体的には、法人税額が500万円を超える企業がその対象となり、その法人税額に対して一定の割合で防衛特別法人税が上乗せされます。そのため、すべての企業が課税対象になるわけではありません。 防衛特別法人税は、法人税額に対して課税されるため、課税所得がいくらから適用されるかを考えるには、法人税の計算を基に判断する必要があります。以下に普通法人と中小企業の特例を適用可能な法人で試算を掲載します。


①普通法人

1. 基本的な仕組み

  • 課税所得 × 法人税率(23.2%)= 法人税額

  • 法人税額 - 500万円(基礎控除)= 防衛特別法人税の課税標準

  • 課税標準 × 4%(予定税率)= 防衛特別法人税額

2. 課税対象となる最低の所得額

 防衛特別法人税が課税されるのは、「課税標準となる法人税額」が500万円を超える場合です。

3. 具体的な最低課税所得

 法人税の標準税率(23.2%)をもとに計算すると、防衛特別法人税が課税される基準は課税所得が約2,160万円です。この場合は約400円が防衛特別法人税として課税されます。

計算例:

  • 課税所得 2,160万円 × 23.2%(法人税率) = 法人税額 5,011,200円

  • 法人税額 5,011,200円 − 基礎控除 5,000,000円 = 11,200円(防衛特別法人税の課税標準)

  •  11,200円 × 4% = 448円(防衛特別法人税額)

 

 ②中小企業の特例適用法人

1. 中小法人の法人税計算(軽減税率適用)

法人税率:

  • 課税所得800万円以下 → 15%(軽減税率)

  • 課税所得800万円超 → 23.2%(標準税率)

2. 課税対象となる最低の所得額

 防衛特別法人税が課税されるのは、「課税標準となる法人税額」が500万円を超える場合です。

3. 中小法人で防衛特別法人税が発生する最低の課税所得

  防衛特別法人税が課税される基準は課税所得が約2,440万円です。この場合は約100円が防衛特別法人税として課税されます。

計算例:

  • 課税所得 800万円 × 15%(法人税率) = 法人税額 1,200,000円

  • 課税所得 1,640万円 × 23.2%(法人税率) = 法人税額 3,804,800円

  • 法人税額 5,004,800円 − 基礎控除 5,000,000円 = 4,800円(防衛特別法人税の課税標準)

  •  4,800円× 4% = 192円(防衛特別法人税額)


 [まとめ]

  • 普通法人の防衛特別法人税が課税される基準は課税所得が約2,160万円

  • 中小法人の防衛特別法人税が課税される基準は課税所得が約2,440万円

 中小企業の特例が適用されると、防衛特別法人税の負担開始が約280万円分遅れます。つまり、中小法人は軽減税率の恩恵を受けるため、防衛特別法人税の課税開始ラインが高くなるということです。中小企業には、上記のような軽減措置が設けられれており、大企業を中心に税負担が求められています。

※課税所得5億円の企業は、防衛特別法人税により約450万円の増税となります。



4. 該当期間について

防衛特別法人税

 防衛特別法人税は、2026年4月1日以降に開始する事業年度から適用されます。それ以前の事業年度には適用されませんので、2026年4月1日以前に開始する事業年度には関係ありません。

 また、防衛特別法人税の適用期間の終了時期は、現時点では未確定です。税制がいつまで続くかについては、防衛費の必要性や国の安全保障環境などに応じて、今後見直される可能性があります。したがって、終了時期が決まるのは将来的な状況によるため、しばらくの間は不透明です。



5. 防衛特別法人税の影響

防衛特別法人税

①企業への影響

 防衛特別法人税の導入により、企業の税負担が増加します。特に、大企業は影響を受けやすいです。法人税額が増加することで、利益が減少し、場合によっては投資活動の縮小や雇用への影響が懸念されます。企業が防衛費を支えるための負担を強いられることになりますが、これが長期的な経済の安定にどのように影響を与えるかが注目されています。

②国民生活への影響

 防衛特別法人税が直接的に消費税や所得税の増税にはつながりませんが、企業の負担増が最終的には賃金や雇用に反映される可能性があります。しかし、防衛力強化が進めば、国家の安全保障が向上し、長期的には国民生活にもプラスの影響を与えることが期待されます。

 


6. まとめ

防衛特別法人税

 防衛特別法人税は、2026年4月1日以降に開始する事業年度から適用されます。

 課税される基準はの課税所得は、普通法人が約2,160万円、中小法人が約2,440万円となります。

 防衛特別法人税は、日本の防衛費増額を支えるための重要な税制改正の一環として注目されています。企業に対して追加的な税負担を求めることには賛否がありますが、国家の安全保障強化には必要な措置であるという意見もあります。

 今後、具体的な税率や軽減措置、中小企業への配慮がどのように決定されるかによって、この税制の影響が大きく変わるでしょう。引き続き、最新の情報を注視しながら議論を深めていくことが求められます。


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※上記記事は令和7年3月時点の情報に基づいて記載しております。

※上記記事は一般的な内容を記載しているため判断の際は専門家へのご相談をお願い致します。








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